an alternative
設計に悩んでいる。どう組み立てればよいか、答えが見えない。
しばらくコードを書いては消す。散歩に出る。コーヒーを淹れる。戻ってくる。試す。違う。考える。また試す。
一見、正解など見つからないように思える。でも、諦めずに根気よく続けていると、ふと、ある構造が浮かんでくる。試してみると、パズルの最後のピースがはまるように、それまで抵抗していたところが、すっと通る。
この瞬間が、私には心地よい。正解を見つけた、という達成感とは少し違う。そのシステムにはまるべき形を、見出した、という感覚に近い。作っているうちに、それは最初からそこにあったのだ、と気づくような。
「じっくり考えて、何かを発見する」という営みが、私にはとても大切なのだと思う。
一方で、今の世界は、この種の時間とはあまり相性が良くない。
スケールを目指せ、と言われる。速く動け、と言われる。注目を集めろ、と言われる。何かを発信するたびに、数字がついて回る。流行を追いかけないと取り残される、というメッセージが、あらゆる場所から届いてくる。
そこにいると、じっくり考える時間がどんどん削られていく。
だから、私は、自分にとって心地よい場所を作りたいと思っている。
急がない。大きくしない。注目を集めようとしない。数字を追いかけない。代わりに、じっくり考える。時間をかけて作る。少しずつ育てる。静かに関わる。
何かに取って代わろうとするものではなく、既存の場所と並んで存在する、もうひとつの場所として。
うまくいくかは、わからない。でも、挑戦する価値はあると思う。